それはいつもの歯磨きタイム。
仕上げ磨きをしていたら、グラグラしていた下の前歯の奥に何かある。
よく見ると、大人の歯が顔を出していました。
あれあれ?抜けたら出てくるはずでは?
先輩ママに聞くと、経過を見てみましょうって言われるよ、とのこと。
念のため、と歯医者さんに行きました。
「これはダメだ。抜きましょう。」
え!え!このとっても臆病な子の歯を抜くんですか!
顔は笑顔のまま、私の心の中はパニックです。
怖がらせないでできるかしら。
心配をよそに、レントゲン室も1人で行き、そつなくこなし、
ベッドに横になれば目をつむって口を開けます。
先生も素晴らしい演技力。
いろんな魔法のおかげで、サクッと2本抜けてしまいました。
ついさっきまで、まさか歯が抜けたちびpoeちゃんに会うなんて思わなかった!
ドキドキの私の横で、彼女はニヤニヤ、何度も鏡を見ています。
「おねえさんになっちゃった」
知らないうちに、この子は臆病な子を卒業してしまったのかもしれない。
嬉しいような淋しいような。