月別アーカイブ: 2016年8月

夜はひとりで

そうっと寝室のドアを開ける。

真っ暗な中で目をこらすと、小さく丸まる寝姿が見える。

読みかけの絵本はきちんと閉じて、灯りを消したようだ。

小さな寝息が規則正しく聞こえる。

   

「ひとりで おふろにはいる!」

突然の宣言から、寝るまでの時間に変化がおとずれました。

怖いのかお風呂場のドアは少し空いていて、シャカシャカザブーンと音が聞こえます。

耳をすませながら、夜の家事をこなせるひととき。

昨夜はひたすらボーッとしてみました。

お風呂上がりに長くのびた髪を乾かしてあげると、絵本を持って寝室へ。

読書灯をつけて絵本を読み始めます。

「なるべく はやくきてね」

一言さらっと告げて、意識はもう絵本の世界へ。

   

ご飯を食べさせ、お風呂に入れて、眠るまで寄り添う日々。

そのために時間を工夫したり、やりたいことに目をつむったり。

長く続いた夜のひとときが終わろうとしています。

自分の部屋で寝ると言う日もそう遠くないはず。

何かが終わってしまうようで、少し寂しくなりました。

代わりに、朝はぎゅっと抱きしめて。

肩を並べて


「つぎは なにをかいてほしい?」

乗り慣れない電車に長い時間揺られながら。

時間潰しに持ってきたお絵かきで、黙々と絵を描いています。

2人だけでの遠出は久しぶり。

すっかり手がかからなくなったなぁ。

その横顔を見つめながらしみじみ。

「これは くつ(靴)ね」

「これは くまさん」

絵もずいぶんと上手になりました。

  

いつからだろう。

彼女のペースに合わせて、ゆっくりじっくりやっていたのに。

今では肩を並べ、同じリズムで歩いている。

背中を追う日もそう遠くないはず。

一緒に歩いていられるように。

願いは祈りに近くなる。

涙の一歩


あれあれ?

来ないなぁ。

思わず一言。

「ちびpoeちゃん、行っちゃうけどいいの?」

チラッと私を見ただけで、お友達と早速準備を始めています。

 

待ちに待ったお泊まり保育。

前もって昼寝やシャワーを済ませ、夕方登園。

あんなに嫌がっていたのに。

もうすっかりみんなの輪の中で、楽しそう。

ポツンと残されたこちらは、少しフクザツな気持ちになりました。

  

そしてお迎え。

最初に見せてくれたのはおばけのカード。

見ると、スタンプが全部埋まっています。

「ないちゃったけど、ぜんぶおせたの!」

「とくに3ばんのスタンプはさがすのたいへんだったんだから!」

その誇らしげなお顔が嬉しくて。

思わず涙が出てきてしまって、慌ててグッとこらえました。

「ちびpoeちゃんは特に心配してたんですけれど、カレーはおかわりするし、すぐに寝付いて全然起きませんでした」

クラスいちと言えるくらい臆病な彼女を先生たちも心配していたのでした。

その成長に眩しくなりました。

でも。

また1つ手から何かが離れていったよう。

何気ない毎日にも、そろそろタイムリミットが見え隠れしています。

改めて。

その毎日を大切に。